2021年現在、オーストラリアの不動産市況は非常に活況でありますが、翻ると「初めて家を購入する人々」= FHO (First Home Owner) / FHB (First Home Buyer)(言い方が違いますが同じ意味)にとっては非常に厳しい状況で、「いくら頭金を貯めても不動産の価格上昇に追いつかない」状況になりつつあります。
そのためFederal (全国)及びState (各州)の政府が初めて住宅を購入するFHO / FHBの方々のために購入資金のサポート及び免税等を行っておりますが、こういった政府補助は状況次第で頻繁に変更になりますので、「以前購入した方のアドバイスは参考まで」とし、必ずご自分で現在の状況の最終確認をしてください。政府補助の変更は以下のような状況で発生・変更する事があります。
- Federal / Stateの選挙前後
- 割り当て予算の枯渇
- 不動産市況の変化
- RBAのCash rateの変動
- 関連法律の変更
- 景気対策
現在の所、FHSS (First home super saver scheme)は有効ですが、このSchemeは以前はなかったものなので、いずれ変更になる可能性はあります。
FHSS概要(2021年10月現在)
FHSS は2017/18のFederal政府予算時にFHO / FHBの住宅取得促進のために導入され、2019年には規定変更がありました。FHSSの利点についての詳しい話は割愛しますが、一般的にSuperannuationのTax rate(2021年現在15%)は個人の収入に掛かるIncome taxより低い場合があるので、tax の差異を利用して、できる限り有効に「Superannuationの一部で住宅購入用の頭金を貯めるスキーム」です。要は「税金の支払いを少なくして住宅の頭金の貯金をする」イメージです。
通常、Superannuationのお金は定年:Retirement ageにならないとアクセスできない(下ろせない)ので、このスキームは税務上の特例です。勿論Income taxがSuperannuationのtax rateよりも低い方もいます。FHSSの詳細については本ページ最下段のATOサイトを参照し、必ず現在の規定をご自分でご確認ください。以下に重要な項目を記します。
- Eligibilityの確認(FHSSが適用される条件の確認。)
- Conditionsの確認(どのような条件でSuperannuationからFHSSに引き出せるか)
例えば以下の文を読み解くと、雇用主が支払っているSG(Superannuation Guarantee)のお金はFHSSに引き出せず、voluntary concessional (before-tax) contribution (CCと呼びます)か、もしくはvoluntary non-concessional (after-tax) contributions (NCCと呼びます)がFHSS用と現在規定されています。しかし、この条件もいつか変更になるかも知れません。(“Superannuation guarantee contributions made by your employer, and spouse contributions cannot be released under the FHSS scheme”)
また州政府レベルでの FHO (First Home Owner) / FHB (First Home Buyer)の補助は同様に状況次第で頻繁に変更になりますので、「以前購入した方のアドバイスは参考まで」とし、必ず自分で最終確認をしてください。 「FHO VIC」「FHB NSW」等でネットサーチすれば見つかると思います。
< 以下FHSS参考サイト (ATO) >