ご存じですか? 年齢差のあるカップルは合法的にPension受給額をMaximise(最大化)する事が出来ます

基本的にSuperannuation (スーパー)に入金すると、定年近く(Preservation age)になるまでスーパーからお金を下ろせない事を理解してから、スーパーへの入金の検討をして下さい (各種条件あり)。スーパー関連について不明な場合はCentrelink、Accountant (主に税金について)、そしてFinancial Adviserにお問い合わせください。 またSuperannuation関連法令は頻繁に変更になります。何か行動を起こす前に必ず最新の情報を入手してください。
PensionとSuperannuationの違いがはっきり分からない方はまずは「コチラ」を一読下さい。

豪州政府は定年退職者が出来るだけ政府補助を受けずに自活できるようにSuperannuation (退職年金給付基金: 以下スーパーと呼称)に対して税金の特例、補助を行いスーパーへの積み立てを奨励しています。

若い人にとっては、スーパーというのはまだまだ先の事のように感じるかも知れませんが、少しでも積み立てる事によって「72の法則」の恩恵を受けてはいかがでしょうか?

複利の力は素晴らしいです。

ところで本題ですが「年齢差のあるカップルは合法的にPension受給額をMaximise(最大化)する事が出来ます」というのはどういう事でしょうか?

政府から支給されるのは「老齢年金 : Age Pension]と呼ばれています。Age Pensionの元本は税金で補われています。ある一定の年齢 (FY21/22の場合 67歳)になると「個人資産」、「収入」及び「家族構成」その他等を考慮された支給額が開始されます。2022年2月現在、Pension支給額「最大」で夫婦2人で年間 $37,923、単身者で年間 $ 25,155です。資産額、収入が高いと受給金額が減額されます。

ここで「合法的」にPension をMaxmise(最大化)するにはいろいろありますがスーパーに関して言えば

ーパーの資産を若い年齢の方に移しておく

という事です。

Age Pension (老齢年金)の受給の際に [ Income Test ][ Asset Test ]、及びその他の細かい調査がありますが、この[ Asset ]の総額によって受給額が加減されます。そこで事前に若い年齢の方のパートナーにスーパーのお金を移す、または給料の一部(Salary Sacrifice)を移す、等によってPension を最大化できます。(仲が良い事も必須です)

例としてPension 受給前に準備をしなかったCase Aの場合の太郎・花子夫妻、事前に準備をしたCase Bの次郎さん・雅子さんカップルを単純化して説明します。

  • Case A
  • 太郎さん(67歳)のスーパー残額 $600,000
  • 花子さん(62歳)のスーパー残高 $200,000            夫婦合計 $800,000
  • Case B
  • 次郎さん(67歳)のスーパーの残高 $300,000
  • 雅子さん(62歳)のスーパーの残高 $500,000              夫婦合計 $800,000

上記2組の夫婦のスーパー総額は$800,000と同じですが、花子さん・雅子さんはまだ62歳なので2人のスーパーの資産額はまだ [Asset Test ]に含まれません。次郎さんはこのルールを知っていたので事前にスーパー・給料の一部を雅子さんに移していました。しかし太郎さんはなにもせずにそのままにしていました。

その為夫婦2組のスーパーの資産総額は同じにもかかわらず、スーパー残高$300,000の次郎さんは確実に太郎さん(スーパー残高$600,000)より多くPension を受給できます。具体的にどのように行うかは別の章で説明します。

夫婦間でもスーパー間の直接のfundのRoll Over (転送)はできませんが、一旦スーパーからお金を下ろしてパートナーのSuper fundに入金する事は可能です。(Withdrawal & Recontribution)その際、掛かる税金、制限を考慮に入れなければなりません。

以下の表はFY21/22 (2021年7月1日~2022年6月30日のAsset TestのFull Pension / Part Pension のしきい値を示しています。

FULL PENSIONの場合のしきい値
PART PENSIONのしきい値

(上記テーブルの参考サイト)

また何歳をもって「年齢差のあるカップル」というのかは状況次第となります。2人の年齢差、スーパーの差額、Pension受給までの年数を鑑み、アレンジする金額・頻度を考慮する事になります。多分1歳差くらいではあまり意味はないかも知れませんが5~10歳、もしくはそれ以上の年齢差ならば考慮する価値はあるかと思います。「スーパー資産(残高)」Pension を貰う年齢になると「Asset Test」に含まれます。(諸条件あり)

( Asset Testの参考サイト)

「あれ?」

そうです。オーストラリア政府は賢いです。飴と鞭を使い分けていますね。

定年まではしっかりスーパーへの貯蓄を税制優遇などでサポートし、実際にPension を受給する年齢になるときっちり[ Asset Test ]を行い適正な受給額に調整します。勿論スーパー以外の株、貯金額などもしっかり[ Asset Test] に含めないといけません。定年までにスーパー、銀行を含めあらゆる金融機関の金融資産は全てTFN(Tax File Number)で紐づけられているので資産総額も明確化し易い仕組みとなっています。

こういった事を「定年直前に知って慌てて子供にお金を渡す=資産額を減らしてPension 受給額を増やそうとする」人が後を絶たないので(人間考える事は同じですね)、子供等にお金を渡すGIFTINGは過去5年まで遡って調査されます。またPension受給開始後は資産の申告がありますので資産が上がればPension 受給停止もあり得ます。

要は事前に準備をしておく、転ばぬ先の杖が一番かと思います。

スーパーに関してのお問い合わせはFinancial Adviserにご相談下さい。

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